インフォームド・コンセント
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人医療のみならず、動物医療においても、「インフォームド・コンセント」が大切であるとの認識が一般的になってきています。「インフォームド・コンセントは良いことである」、と一般に考えられていますが、ペットの医療を受ける側の人は、そう単純に喜んでばかりはいられないと思います。インフォームド・コンセントが生まれた背景と、そのメリット、注意点などを考えてみます。
インフォームド・コンセントが提唱されるまでは、ペットはどう治療をしていくかは全面的に医療者に任せるしかありませんでした。そして、全面的な委任という前提のもと、医療者が病気の治療方法のほぼ全てを決定していました。医療者が誠実かつ真摯に医療にあたり、患者さんがそれで納得していればそれでも問題ないのですが、医療者の判断で方針を決めることによって、病気の治療を受ける側が自分の意志を無視されていると感じたり、説明のないまま病気の治療を受けることによって予期しない結果があるという問題点があり、より良いペットの医療を目指して、そのあり方が見直され始めました。
ペットの飼い主さんに与えられる選択肢は、任せるか、それとも任せないかという2つだけです。それに対して、ペットの意志を尊重する医療においては、どこまで目指して、どう病気を治療していくかということは、ペット側が決めるものであり、ペットにとっての選択肢はより複雑なものになります。新しいペットの医療のあり方を模索する中から、医療に関して素人であるペットの飼い主に、最善の選択をしてもらうことを目的として、「インフォームド・コンセント」という概念が発達してきました。
インフォームド・コンセントの概念は、そっくりそのまま獣医療でも当てはまります。ただひとつ違うのは、人医療においては選択をするのが基本的に患者本人であるのに対し、獣医療ではペットの飼い主さんが選択をするということだけです。自分の飼っている動物が病気になったとき、どういう病気の治療をするのか、それを選択するのはペットの飼い主さんの役目です。どの選択が自分にとって最善かを犬の飼い主さんが判断するためには、より広範囲で正確な知識・情報が不可欠です。